
新しい門出を祝して贈られる、豪華で美しい胡蝶蘭。
新築祝いに心のこもった胡蝶蘭をいただくと、そのお気持ちが大変嬉しく、家の中も華やぎますよね。
しかし、その一方で「こんなに立派なものをもらってしまったけれど、お返しはどうしたら良いのだろう?」と悩んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。
インターネットで調べると、新築祝いに胡蝶蘭のお返しは基本的に不要という情報もあれば、内祝いとしてお返しをした方が良いという意見も見受けられます。
実際のところ、どちらが正しいマナーなのか、迷ってしまいますよね。
また、お返しをするにしても、そのタイミングや金額の相場はどのくらいが適切なのでしょうか。
感謝の気持ちを伝えるためのお礼状は必要なのか、電話やメールでの連絡でも失礼にあたらないのか、その際の例文はどうすれば良いのか、考え始めると次々と疑問が湧いてくるものです。
品物を選ぶにしても、相手に喜ばれるお菓子や、好みがわからない場合に便利なカタログギフトなど選択肢は多岐にわたりますし、贈る際の「のし」の書き方といった細かな作法も気になります。
親しい間柄であれば、新居のお披露目会でおもてなしをすることがお返し代わりになるとも聞きますが、それですべて解決するのかも判断が難しいところです。
せっかくのお祝いですから、相手の方に失礼なく、心からの感謝を伝えたいものです。
この記事では、そうした新築祝いに胡蝶蘭のお返しに関するあらゆる疑問や不安を解消するために、基本的なマナーから具体的な品物選びのポイントまで、網羅的に詳しく解説していきます。
- 新築祝いに胡蝶蘭のお返しが基本的に不要と言われる本当の理由
- お返しより先にすべき感謝の気持ちを伝えるための基本マナー
- お返しを贈る場合に最適なタイミングと金額の相場
- 気持ちが伝わるお礼状の書き方と具体的な例文
- 内祝いとして喜ばれる品物の選び方とおすすめの具体例
- 意外と知らない「のし」に関する正しい知識とマナー
- 新築祝いに胡蝶蘭のお返しに関するあらゆる疑問の解決策
新築祝いに胡蝶蘭のお返しは基本的に不要?
- お返しは基本的に不要と言われる理由
- まずは押さえたい基本的なマナーとは
- お返しをするのに最適なタイミング
- 感謝の気持ちを伝えるお礼状の書き方
- 新築の内祝いとしてお返しをする場合
お返しは基本的に不要と言われる理由
新築祝いに豪華な胡蝶蘭をいただくと、「何かお返しをしなければ」と焦ってしまうかもしれません。
しかし、結論から言うと、新築祝いに胡蝶蘭のお返しは「絶対にしなければならない」というものではありません。
なぜなら、お祝いの品物に対するお返しは、本来必須ではないと考えられているためです。
特に、新築祝いや開店祝いなどで贈られる胡蝶蘭は、相手の新しい門出を純粋に祝う気持ちから贈られるものであり、贈り主側もお返しを期待していないケースがほとんどと言えるでしょう。
この背景には、いくつかの理由が考えられます。
お祝いの気持ちを素直に受け取るのがマナー
まず、お祝いは相手の厚意や祝福の気持ちの表れです。
その気持ちに対して、「お返しをしなければ」と過度に気を遣うよりも、まずは素直に感謝して受け取ることが一番のマナーとされています。
「お返しは結構ですよ」という心遣いが込められている場合も多く、無理にお返しをすることでかえって相手に気を遣わせてしまう可能性もあるのです。
「お披露目会」がお返しの代わりになる
新築祝いの場合、新しい家にお祝いをくださった方々を招いておもてなしをする「お披露目会」が、お返しの代わりになるとされています。
私の経験上、これは古くから伝わる慣習の一つです。
新しい家を直接見てもらい、食事や歓談の時間を共に過ごすこと自体が、最高の感謝の表現方法と考えられているわけですね。
そのため、お披露目会に招待する予定がある場合は、別途品物でのお返しは不要とされることが多いのです。
もちろん、お披露目会でささやかな手土産を用意するのは、より丁寧な対応と言えるでしょう。
高価な贈り物だからこその配慮
胡蝶蘭は決して安い贈り物ではありません。
ビジネスシーンの贈答品としても選ばれる格式高い花であり、その価格帯も数万円に及ぶことが珍しくありません。
贈り主は、それだけの費用をかけてでも「おめでとう」の気持ちを伝えたいと考えています。
そうした高価なお祝いに対して、もし厳密に半返しなどをすると、受け取った側の金銭的負担が大きくなってしまうでしょう。
そういった受け手側の負担を考慮し、お返しは不要という考え方が一般的になっている側面もあります。
ただし、関係性や状況に応じて判断を
とはいえ、すべての場合でお返しが不要というわけではありません。
例えば、両親や親しい親戚から高額な胡蝶蘭をいただいた場合や、今後の関係性をより良好に保ちたいビジネス上の相手など、状況によっては品物でお返しをした方が良いケースもあります。
また、地域によっては、お返しをするのが当然という慣習が根付いている場所もあるかもしれません。
最終的には、「お返しは基本的に不要」という原則を念頭に置きつつも、相手との関係性やいただいたものの価値、そして何よりも自分自身の「感謝を伝えたい」という気持ちを大切に、柔軟に判断することが求められます。
結論として、新築祝いに胡蝶蘭のお返しを急いで準備する必要はありませんが、感謝の気持ちを伝えるための行動は不可欠です。
まずは押さえたい基本的なマナーとは
新築祝いに胡蝶蘭のお返しが必須ではないとしても、いただきっぱなしで何もしないのは社会人としてマナー違反です。
品物でのお返し以上に大切なのが、感謝の気持ちを迅速かつ丁寧に伝えることです。
ここでは、胡蝶蘭を受け取った際に、まず押さえておきたい基本的なマナーについて解説します。
最優先事項は「すぐにお礼の連絡」
何よりもまず行うべきは、お祝いが届いたらすぐに贈り主に連絡を入れることです。
できれば当日、遅くとも翌日中には連絡するのが理想的でしょう。
贈り主は「無事に届いただろうか」「喜んでくれただろうか」と気にしているものです。
迅速な連絡は、相手を安心させると同時に、心からの感謝を伝える最初のステップとなります。
連絡手段の選び方
お礼の連絡手段は、相手との関係性によって使い分けるのがスマートです。
一般的に、最も丁寧とされるのは電話です。
自分の声で直接感謝を伝えることで、気持ちがより深く伝わります。
特に、目上の方や年配の方、仕事関係の方へのお礼は電話が望ましいでしょう。
一方で、親しい友人や同僚など、普段からメールやLINEでやり取りしている相手であれば、そちらで連絡しても問題ありません。
その際は、胡蝶蘭を新居に飾った写真を添えて送ると、喜びが視覚的に伝わり、相手もより一層嬉しい気持ちになるはずです。
どの手段を選ぶにしても、スピード感が重要であることは忘れないでください。
- 電話:最も丁寧で気持ちが伝わりやすい。目上の方や大切な取引先におすすめ。
- 手紙・はがき:電話の次に丁寧な方法。後述するお礼状として改めて送るのが一般的。
- メール・SNS:親しい間柄ならOK。写真を添えるなどの工夫でより気持ちが伝わる。
伝えるべき内容
お礼の連絡をする際には、以下の点を盛り込むと良いでしょう。
- 無事に胡蝶蘭が届いたことの報告
- 素敵なお祝いをいただいたことへの感謝の言葉
- 胡蝶蘭をとても気に入った、嬉しいという気持ち
- 「大切に飾らせていただきます」といった今後の扱いについての言葉
- 相手の健康や活躍を気遣う言葉
例えば、電話であれば「〇〇です。先ほど、立派な胡蝶蘭が届きました。本当にありがとうございます。玄関に飾らせていただいたのですが、一気に華やかになって、家族みんなで喜んでいます。大切に育てますね。」といった内容です。
このように、具体的な感想を交えることで、ありきたりではない、心のこもったお礼になります。
品物でお返しをするかしないかにかかわらず、この「すぐにお礼を伝える」という初動が、新築祝いに胡蝶蘭をいただいた際の最も重要なマナーであると心得ておきましょう。
この一手間を惜しまないことが、相手との良好な関係を維持する秘訣です。
お返しをするのに最適なタイミング
新築祝いに胡蝶蘭をいただき、お礼の連絡を済ませた後、「やはり品物でも感謝の気持ちを伝えたい」と考える場合、次に気になるのが「いつお返しを贈るか」というタイミングです。
早すぎても、逆に遅すぎても失礼にあたる可能性があるため、適切な時期を見極めることが大切です。
ここでは、新築祝いに胡蝶蘭のお返しをするのに最適なタイミングについて詳しく解説します。
基本は「1ヶ月から2ヶ月以内」
一般的に、新築祝いのお返し(内祝い)を贈るタイミングは、お祝いをいただいてから1ヶ月から2ヶ月以内が目安とされています。
なぜなら、新居への引越し直後は、荷物の整理や各種手続きなどで何かと慌ただしい時期だからです。
贈り主側もその状況は理解していますから、すぐにお返しがなくても失礼だとは考えません。
むしろ、生活が少し落ち着いた頃に、ゆっくりと感謝の気持ちを込めて品物を選ぶ時間を取るのが良いでしょう。
あまりに早く、例えばお祝いを受け取って数日後にお返しを贈ると、「お祝いを待っていたかのようだ」という印象を与えかねませんし、準備していたかのような印象を与えてしまうこともあります。
一方で、2ヶ月以上経過してしまうと、忘れていたかのような印象を与えてしまうリスクがあります。
お祝いをいただいた記憶が新しいうちに、感謝の気持ちとして贈るのがスマートです。
そのため、引越し後1ヶ月程度を目処に準備を始め、2ヶ月以内には相手の手元に届くように手配するのが理想的なスケジュールと言えるでしょう。
お披露目会に招待する場合のタイミング
前述の通り、新居のお披露目会がお返しの代わりとなるケースも多いです。
もし、お祝いをくださった方をお披露目会に招待する予定があるなら、別途品物を贈る必要は基本的にありません。
その場合、お披露目会当日のおもてなしが、最高のお返しとなります。
お披露目会の開催時期は、これも同様に新生活が落ち着いた1ヶ月後から2ヶ月後あたりが一般的です。
お祝いをいただいてすぐにお礼の連絡を入れる際に、「落ち着きましたら、ぜひ新しい家に遊びに来てください。改めてご案内しますね」と一言伝えておくと、相手もお返しについて気を遣わずに済み、スムーズです。
もし、お披露目会で手土産を渡すのであれば、それが品物のお返しに相当します。
ただし、お披露目会に招待できない遠方の方や、ご都合が合わなかった方へは、別途内祝いの品を贈る配慮が必要です。
その場合も、お披露目会が終わった後、1ヶ月以内を目安に贈ると良いでしょう。
タイミングを逃さないことは、マナーの基本です。
感謝の気持ちが薄れてしまう前に、適切な時期に行動を起こすことを心がけましょう。
感謝の気持ちを伝えるお礼状の書き方
新築祝いに胡蝶蘭をいただいたら、電話などでのお礼に加えて、改めて手紙やはがきでお礼状を送ると、より一層丁寧な印象を与え、感謝の気持ちが深く伝わります。
特に、目上の方や改まったお付き合いの方へは、お礼状を送るのが望ましいマナーです。
ここでは、心からの感謝が伝わるお礼状の書き方について、構成や例文を交えながら具体的に解説します。
お礼状の基本的な構成
お礼状は、以下の構成で書くと、整然として読みやすい文章になります。
いわゆるPREP法(Point→Reason→Example→Point)を意識すると、自然な流れで感謝を伝えることができるでしょう。
- 頭語と時候の挨拶:「拝啓」で始め、季節感のある挨拶を添えます。
- お礼の言葉:まず何に対するお礼なのかを明確に伝え、感謝の気持ちを述べます。
- 具体的な感想:いただいた胡蝶蘭をどのように飾っているか、どれほど嬉しかったかなどを具体的に書きます。
- 新生活の抱負や近況:新しい家での生活の様子や今後の抱負などを簡潔に伝えます。
- 相手を気遣う言葉:相手の健康や活躍を願う言葉で、文章を柔らかく締めくくります。
- 結びの挨拶と結語:「今後とも変わらぬお付き合いを~」といった言葉に続き、「敬具」で結びます。
- 日付・署名・宛名:最後に日付と自分の名前(家族連名でも可)、そして相手の名前を書きます。
お礼状の例文
相手との関係性に合わせて、言葉遣いや内容を調整することが大切です。
ここでは、上司宛と親しい友人宛の2パターンの例文をご紹介します。
【例文1:会社の上司など目上の方へ】
拝啓
盛夏の候、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は私どもの新築に際し、誠に見事な胡蝶蘭をお贈りいただき、心より御礼申し上げます。
早速、リビングに飾らせていただきましたところ、その気品ある佇まいに部屋全体が明るく華やぎ、家族一同、大変喜んでおります。
温かいお心遣いに、改めて感謝の念を深くいたしました。
おかげさまで、先日から始まった新しい住まいでの生活も、少しずつ落ち着いてまいりました。
これからはこの新しい家で、家族と共に穏やかな時間を育んでいきたいと思っております。
時節柄、〇〇様もどうかご自愛ください。
まずはお礼かたがた、ご挨拶申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇 〇〇(自分の氏名)
〇〇 〇〇様(相手の氏名)
【例文2:親しい友人へ】
〇〇ちゃんへ
毎日暑い日が続くけど、元気にしていますか?
この間は、新築祝いに素敵な胡蝶蘭を贈ってくれて、本当にありがとう!
箱を開けた瞬間、あまりの豪華さにびっくりしました。白くて大きなお花がすごく綺麗で、一目で気に入ってしまったよ。
さっそく玄関に飾っているんだけど、見るたびに嬉しくなります。
センスの良いお祝いをありがとうね。
引越しの片付けもようやく一段落して、新しい生活を楽しんでいます。
落ち着いたら、ぜひ新しいおうちに遊びに来てください。
また近いうちに連絡しますね。
〇〇ちゃんも、夏バテには気をつけてね。
本当にありがとうございました。
〇〇より
このように、相手との関係性に応じて言葉を選ぶことで、より自然で心のこもったお礼状になります。
便箋やはがきのデザインも、相手の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
新築の内祝いとしてお返しをする場合
新築祝いに胡蝶蘭をいただいた後、お返しを品物で贈る場合、その贈り物は「新築内祝い」という名目になります。
「内祝い」という言葉はよく耳にしますが、その本来の意味や、新築祝いのお返しとして贈る際のマナーについて、正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
ここでは、新築祝いに胡蝶蘭のお返しを「新築内祝い」として贈る際のポイントを解説します。
「内祝い」の本来の意味
本来、「内祝い」とは「内々のお祝い」という意味で、身内や親しい人々の間で喜びを分かち合うために贈るものでした。
例えば、結婚や出産、新築といった喜ばしい出来事があった際に、「我が家にこんな良いことがありました。この幸せをおすそ分けします」という気持ちを込めて、お祝いをいただいたかどうかに関わらず、自主的に品物を贈る習慣だったのです。
つまり、内祝いは「お返し」とは少し意味合いが異なるものでした。
現代における「内祝い」
しかし、現代ではその意味合いが少し変化し、「お祝いをいただいたことへのお返し」として「内祝い」を贈るのが一般的になっています。
もちろん、本来の意味が失われたわけではありませんが、新築祝いに胡蝶蘭のお返しをする際は、「新築内祝い」として贈るのが最もスムーズで、相手にも理解されやすいでしょう。
この場合、内祝いは「新築という喜びのおすそ分け」と「いただいたお祝いへの感謝」という二つの意味合いを持つことになります。
新築内祝いを贈る際の流れ
新築内祝いを贈る際の一連の流れは、以下のようになります。
- 胡蝶蘭を受け取る:まずは笑顔で受け取り、感謝を伝えます。
- すぐにお礼の連絡:当日か翌日には、電話やメールなどで感謝を伝えます。
- お返し(内祝い)の品物を選ぶ:いただいた胡蝶蘭の金額を参考に、相場(1/3~半額)に合わせて品物を選びます。
- のしをかける:紅白の蝶結びの水引がついたのし紙を用意し、表書きを「新築内祝」または「内祝」とします。
- お礼状を添える:品物だけを贈るのではなく、必ずお礼状を添えます。感謝の気持ちや新生活の様子などを伝えましょう。
- 贈る:お祝いをいただいてから1~2ヶ月以内に相手の手元に届くように手配します。
この流れを意識することで、マナーに沿った丁寧な対応ができます。
特に重要なのは、やはり「お礼状を添える」という点です。
品物だけでは伝わりきらない感謝の気持ちを、自分の言葉でしっかりと伝えることが、相手との良好な関係を築く上で不可欠です。
新築内祝いは、単なる返礼品ではなく、新しい生活のスタートを祝い、支えてくれた人々への感謝と、これからの繋がりをお願いするための大切なコミュニケーションツールであると捉えると良いでしょう。
新築祝いに胡蝶蘭のお返しをする際のポイント
- 気になるお返しの金額相場
- おすすめの品物の選び方
- 定番で喜ばれるお菓子の選び方
- 相手に選んでもらえるカタログギフト
- 意外と知らないのしの正しい知識
- 失礼のない新築祝いに胡蝶蘭のお返しをしよう
気になるお返しの金額相場
新築祝いに胡蝶蘭のお返しとして内祝いを贈ることを決めたら、次に悩むのが「いくらくらいの品物を選べば良いのか」という予算の問題です。
金額が低すぎると失礼にあたるかもしれませんし、高すぎてもかえって相手に気を遣わせてしまいます。
ここでは、新築内祝いの適切な金額相場について、詳しく解説していきます。
基本は「3分の1から半額(半返し)」
一般的に、お祝いへのお返しの金額相場は、いただいた品物の価格の「3分の1から半額(半返し)」が目安とされています。
これは新築祝いに限らず、結婚祝いや出産祝いなど、様々なお祝い事のお返しに共通する基本的なマナーです。
例えば、3万円相当の胡蝶蘭をいただいたのであれば、1万円から1万5千円程度の品物をお返しとして選ぶのが適切ということになります。
この相場観を基本として予算を考えると、大きな失敗はないでしょう。
いただいた胡蝶蘭の値段を調べる方法
相場を計算するためには、まずいただいた胡蝶蘭がどのくらいの価格のものなのかを知る必要があります。
もちろん、贈り主に直接聞くのはマナー違反です。
そこで、胡蝶蘭の価格を推測する方法を知っておくと便利です。
胡蝶蘭の価格は主に「花の輪数」「本数(〇本立ち)」によって決まります。
花の数が多く、本数が多いほど高価になります。
インターネットで「胡蝶蘭 相場」などと検索し、いただいた胡蝶蘭と似たような輪数・本数の商品の価格を調べることで、おおよその値段を把握することができます。
以下に、一般的な胡蝶蘭の相場を表にまとめましたので、参考にしてください。
種類 | 輪数(つぼみ含む) | 価格帯の目安 |
---|---|---|
3本立ち | 30輪前後 | 15,000円~20,000円 |
3本立ち | 40輪前後 | 25,000円~30,000円 |
5本立ち | 50輪前後 | 30,000円~40,000円 |
5本立ち | 70輪以上 | 50,000円以上 |
この表を参考に、いただいた胡蝶蘭の価格を推測し、その3分の1から半額を予算と設定しましょう。
高額な胡蝶蘭をいただいた場合
両親や祖父母、親しい親戚などから、5万円を超えるような非常に高価な胡蝶蘭をいただくケースもあるかもしれません。
このような場合、厳密に半返しをするとお返しの金額も高額になり、かえって相手に「そんなつもりじゃなかったのに」と気を遣わせてしまう可能性があります。
特に、目上の方からの高額なお祝いには、「新生活の足しにしてほしい」という応援の気持ちが強く込められていることが多いです。
そのため、いただいたお祝いが高額だった場合は、相場にこだわりすぎず、3分の1程度の金額でお返しをしても問題ありません。
例えば、5万円の胡蝶蘭なら1万5千円から2万円程度、10万円なら3万円程度のお返しで十分気持ちは伝わります。
大切なのは金額そのものよりも、感謝の気持ちを込めて品物を選び、丁寧にお礼状を添えることです。
相場はあくまで目安として捉え、相手との関係性や状況に応じて柔軟に対応しましょう。
おすすめの品物の選び方
お返しの予算が決まったら、次はいよいよ品物選びです。
せっかく贈るのですから、相手に喜んでもらえるものを選びたいですよね。
新築内祝いの品物選びには、いくつか定番のセオリーがあります。
ここでは、相手に喜ばれるおすすめの品物の選び方と、避けた方が良い品物について解説します。
基本は「消え物」
内祝いの品物選びで最も無難で喜ばれるのが、「消え物」と呼ばれる食べ物や飲み物、あるいは使うとなくなる消耗品です。
消え物は、相手の家にずっと残ることがないため、趣味に合わなかったり、置き場所に困らせたりする心配がありません。
相手の負担になりにくいという点で、非常に合理的な選択と言えるでしょう。
- 食品類:お菓子、コーヒー・紅茶、ジュース、調味料、お米、高級レトルト食品など
- 消耗品:タオル、洗剤、石鹸、入浴剤など
特に、少し高級で普段自分ではなかなか買わないようなものを選ぶと、特別感が演出できて喜ばれます。
例えば、有名パティスリーの焼き菓子セットや、オーガニック素材にこだわったタオルのセットなどは人気の高いアイテムです。
相手の好みに合わせて選ぶ
もし相手の好みやライフスタイルが分かっている場合は、それに合わせて選ぶのが一番です。
例えば、お酒が好きな方には少し珍しい地酒やクラフトビールのセット、小さなお子さんがいる家庭には上質なジュースの詰め合わせや、家族みんなで食べられるお菓子などが考えられます。
相手のことを考えて選んだという気持ちが伝わり、より一層喜んでもらえるはずです。
新築にちなんだ品物もおすすめ
新築内祝いならではの選び方として、「新しい家」にちなんだ品物を選ぶのも素敵です。
例えば、「家」の形をしたクッキーやバームクーヘン、あるいは新居の近くにある評判のお店の品物を選ぶのも良いでしょう。
お礼状に「家の近くに美味しいお菓子屋さんがあったので、ぜひ召し上がってみてください」と一言添えれば、新生活の楽しい様子も伝わります。
避けた方が良い品物
一方で、内祝いの品物として避けた方が良いとされるものも存在します。
これらは縁起が悪いとされるものが多く、知らずに贈ってしまうと失礼にあたる可能性があるので注意が必要です。
- 刃物(包丁、ハサミなど):「縁が切れる」ことを連想させるため。
- ハンカチ:漢字で「手巾(てぎれ)」と書くため、これも縁切りを意味するとされる。
- 日本茶:香典返しなど弔事で使われることが多いため、お祝い事の贈り物には不向きとされる。
- 現金・商品券:目上の方に贈ると「お金に困っているのでは」と見ているようで失礼にあたることがある。
これらの品物は、相手からリクエストがあった場合などを除き、基本的には避けるのが賢明です。
品物選びに迷った際は、これらのポイントを参考に、相手への感謝の気持ちが伝わる一品を選んでみてください。
定番で喜ばれるお菓子の選び方
新築祝いに胡蝶蘭のお返しとして贈る品物の中でも、特に人気が高く、失敗が少ないのが「お菓子」です。
世代や性別を問わず喜ばれやすく、消え物であるため相手の負担になりにくいのが大きなメリットです。
しかし、ひと口にお菓子と言っても種類はさまざま。
ここでは、内祝いとして贈る際に喜ばれるお菓子の選び方のポイントを、具体的にご紹介します。
ポイント1:日持ちするものを選ぶ
内祝いとしてお菓子を贈る際に、最も重要なポイントの一つが「日持ちすること」です。
ケーキやシュークリームといった生菓子は、賞味期限が非常に短く、相手が受け取ってすぐに食べなければならないというプレッシャーを与えてしまいます。
また、相手が不在で受け取りが遅れた場合に、品質が劣化してしまうリスクもあります。
そのため、クッキーやフィナンシェ、マドレーヌ、バームクーヘンといった焼き菓子が最適です。
これらの焼き菓子は、常温で保存でき、賞味期限も比較的長いため、相手の好きなタイミングでゆっくりと楽しんでもらえます。
少なくとも、賞味期限が2週間以上あるものを選ぶと安心でしょう。
ポイント2:個包装されていると親切
贈る相手が一人暮らしとは限りません。
家族と同居している場合や、職場で配る可能性も考えると、「個包装」されているお菓子は非常に喜ばれます。
大きなバームクーヘンが一つだけ入っているよりも、一つひとつ丁寧に包装されたフィナンシェが複数入っている方が、分けやすく、手を汚さずに食べられるため親切です。
また、一度に食べきる必要がないため、相手のペースで少しずつ楽しむことができるというメリットもあります。
品物を選ぶ際には、パッケージを開けた後のことまで想像して、相手にとっての利便性を考えることが大切です。
ポイント3:少し贅沢感のあるものを選ぶ
せっかくの内祝いですから、スーパーやコンビニで手軽に買えるお菓子ではなく、少し特別感や贅沢感のあるものを選ぶと良いでしょう。
例えば、以下のようなものがおすすめです。
- デパートに入っている有名パティスリーや人気ブランドのお菓子
- 地元では手に入りにくい、お取り寄せで人気のスイーツ
- 素材にこだわった老舗のお菓子
- 見た目が華やかで美しい、デザイン性の高いお菓子
普段自分ではあまり買わないような、少し高級なお菓子をもらうと、誰でも嬉しい気持ちになるものです。
パッケージのデザインがおしゃれなものを選べば、開ける前からワクワクした気持ちになってもらえます。
ポイント4:縁起の良い意味が込められたお菓子
お祝い事の贈り物として、縁起の良い意味が込められたお菓子を選ぶのも素敵です。
代表的なのが「バームクーヘン」です。
木の年輪のように見えることから、「繁栄」や「長寿」を意味するとされ、お祝い事の贈り物として定番となっています。
「これから新しい家で、末永く幸せな年月を重ねていけますように」というメッセージを込めて贈ることができます。
これらのポイントを参考に、相手の顔を思い浮かべながら、感謝の気持ちが伝わるお菓子を選んでみてください。
相手に選んでもらえるカタログギフト
「相手の好みが全く分からない」「品物選びに自信がない」そんな時に非常に便利なのが「カタログギフト」です。
受け取った相手が、カタログの中から好きな商品を選んで注文できるため、趣味に合わないものを贈ってしまうという失敗がありません。
新築祝いに胡蝶蘭のお返しとしても、人気の高い選択肢の一つです。
ここでは、カタログギフトを選ぶ際のメリット・デメリットや、選び方のポイントについて解説します。
カタログギフトのメリット
カタログギフトには、贈る側と受け取る側の双方にとって多くのメリットがあります。
- 相手の好みに合わせられる:最大のメリットは、相手自身が欲しいものを選べる点です。食品、雑貨、家電、体験チケットなど、幅広いジャンルの商品が掲載されているため、満足度が高くなります。
- 品物選びの負担軽減:贈る側は、予算に合ったカタログを選ぶだけで済むため、品物選びに悩む時間や手間を大幅に省くことができます。
- 持ち運びが便利:カタログは冊子なのでかさばらず、相手に直接手渡す場合でも負担になりません。
カタログギフトのデメリットと対策
便利なカタログギフトですが、一方でデメリットや注意点も存在します。
しかし、これらは少しの工夫で対策することが可能です。
デメリット1:味気ない、手抜きだと思われる可能性
品物を選ぶ手間がない分、「気持ちがこもっていない」「手抜きだ」と感じる人も少数ながらいるかもしれません。
対策:このデメリットを解消する最も効果的な方法が、「心のこもったお礼状を添えること」です。
「皆様のお好みが分かりかねましたので、お好きなものをお選びいただけるカタログギフトにいたしました」という一文と共に、感謝の気持ちを自分の言葉で丁寧に綴ることで、手抜きという印象は払拭され、相手を気遣う気持ちが伝わります。
デメリット2:選ぶ手間をかけさせてしまう
相手に商品を選んでもらうという行為は、見方を変えれば相手に手間をかけさせてしまうことにもなります。
対策:贈る相手のライフスタイルを考慮しましょう。非常に忙しい方や、カタログを見るのが面倒だと感じそうな年配の方などには、避けた方が無難な場合もあります。相手の性格を考えて選択することが大切です。
デメリット3:欲しいものがない場合
豊富な商品が掲載されているとはいえ、必ずしも相手の欲しいものがあるとは限りません。
対策:最近では、様々な特徴を持ったカタログギフトが登場しています。グルメに特化したもの、北欧雑貨専門のもの、温泉旅行などの体験型ギフトに特化したものなど、種類は多岐にわたります。相手の趣味や興味が少しでも分かるなら、その分野に特化したカタログを選ぶことで、「欲しいものがない」という事態を防ぎやすくなります。
カタログギフトの選び方
カタログギフトを選ぶ際は、まずいただいた胡蝶蘭の価格に応じた予算(3分の1~半額)のコースを選びます。
その上で、前述のように、贈る相手に合わせてカタログの種類を選ぶと良いでしょう。
グルメな方には、有名レストランの食事券や産地直送の高級食材が豊富なグルメカタログ、アクティブな方には、旅行やアクティビティが選べる体験型カタログが喜ばれるかもしれません。
カタログギフトは、お礼状という「心」を添えることで、非常に優れた贈り物になります。
メリットとデメリットを理解した上で、上手に活用しましょう。
意外と知らないのしの正しい知識
新築内祝いの品物を贈る際に、欠かせないのが「のし(熨斗)」です。
これは日本の伝統的な贈答マナーであり、改まった贈り物には必ずつけるべきものとされています。
しかし、「水引の種類」や「表書きの書き方」など、意外と知らない、あるいは間違いやすいポイントも多いものです。
ここでは、新築祝いに胡蝶蘭のお返しをする際に知っておきたい、のしの正しい知識について詳しく解説します。
水引(みずひき)の種類と選び方
のし紙の中央にかかっている飾り紐を「水引」と呼びます。
水引は結び方や色によって意味が異なり、用途に応じて正しく使い分ける必要があります。
新築祝いのお返し(内祝い)の場合に選ぶべき水引は、「紅白の蝶結び(花結び)」です。
・蝶結び(花結び)
蝶結びは、何度でも結び直せることから、「何度あっても嬉しいお祝い事」に使われます。
新築や出産、長寿のお祝いなどがこれにあたります。
・結び切り
一方、固く結ばれてほどくのが難しい「結び切り」は、「一度きりであってほしいこと」に使われます。
結婚祝いや快気祝い、そしてお悔やみ事などが該当します。
新築内祝いで結び切りを使ってしまうと、大変な失礼にあたるため、絶対に間違えないように注意しましょう。
表書き(おもてがき)の書き方
水引の上段中央に書くのが「表書き」です。
これは、贈り物の目的を示すもので、毛筆や筆ペン、サインペンなどではっきりと書きます。
新築祝いのお返しの場合、表書きは以下のいずれかとするのが一般的です。
- 新築内祝:最も一般的で分かりやすい表書きです。
- 内祝:「新築」をつけずにシンプルに「内祝」としても問題ありません。
- 御礼:感謝の気持ちをストレートに表現したい場合に用います。
どの表書きを選ぶかは好みによりますが、「新築内祝」としておけば間違いないでしょう。
名入れの書き方
水引の下段中央には、贈り主の名前を「名入れ」として書きます。
表書きよりも少し小さめの文字で書くのがバランスが良いとされています。
新築内祝いの場合、名入れは新しい家の世帯主の「名字(姓)」のみを書くのが最も一般的です。
夫婦連名や、家族全員の名前(子供の名前も含む)を連名で書くことも可能です。
家族ぐるみでお付き合いのある方へ贈る場合などは、連名にするとより親しみが伝わるかもしれません。
例えば、「山田」と名字だけ書くか、「山田 太郎・花子」のように夫婦連名で書きます。
内のしと外のし
のしには、品物の箱に直接のし紙をかけてから包装紙で包む「内のし」と、包装紙の上からのし紙をかける「外のし」の2種類があります。
内祝いのように、控えめに喜びを伝えたい場合や、配送で贈る場合には、のしが汚れたり破れたりするのを防ぐために「内のし」が適しているとされています。
一方で、相手に直接手渡しする場合や、贈り物の目的をはっきりと伝えたい場合には「外のし」が用いられます。
どちらが絶対に正しいということはありませんが、新築内祝いでは「内のし」を選ぶのがより一般的でスマートな印象を与えるでしょう。
これらの知識を押さえておけば、自信を持って内祝いの準備を進めることができます。
失礼のない新築祝いに胡蝶蘭のお返しをしよう
これまで、新築祝いに胡蝶蘭のお返しに関する様々なマナーやポイントについて解説してきました。
豪華な胡蝶蘭をいただくと、お返しについて色々と悩んでしまうものですが、一つひとつのステップを丁寧に進めていけば、何も難しいことはありません。
この記事でご紹介した内容を、改めて振り返ってみましょう。
まず最も大切なことは、新築祝いに胡蝶蘭のお返しは「絶対に必要というわけではない」という点です。
お祝いの気持ちを素直に受け取り、まずは迅速にお礼の連絡をすることが最優先のマナーとなります。
その上で、やはり品物で感謝を伝えたいと考えた場合には、「新築内祝い」として、いただいた胡蝶蘭の価格の3分の1から半額程度の品物を選びます。
品物選びでは、お菓子やタオルといった「消え物」が定番であり、相手の負担になりにくい選択です。
特に、日持ちのする個包装のお菓子や、相手が好きなものを選べるカタログギフトは、多くの方に喜ばれるでしょう。
そして、品物を贈る際には、必ず「のし」をかけ、感謝の気持ちを綴った「お礼状」を添えることを忘れないでください。
この一手間が、あなたの真心を相手に届け、今後の良好な関係を築くための礎となります。
新築という人生の大きな節目を祝ってくださった大切な方へ、失礼のない、そして心からの感謝が伝わる対応を心がけたいものですね。
この記事が、あなたの新築祝いに胡蝶蘭のお返しに関する悩みや不安を解消し、素晴らしい新生活のスタートの一助となれば幸いです。
- 新築祝いに胡蝶蘭のお返しは必ずしも必須ではない
- いただきっぱなしはNGでまずはお礼の連絡を入れる
- お礼の連絡は当日か翌日に電話で行うのが最も丁寧
- お礼状は受け取ってから3日から1週間以内を目安に送付する
- 品物でお返しをする場合は1ヶ月から2ヶ月以内が適切なタイミング
- 新居のお披露目会に招待することがお返しの代わりにもなる
- お返しの金額相場はいただいた胡蝶蘭の価格の3分の1から半額程度
- 高価な贈り物の場合は3分の1程度の金額でも問題ない
- 内祝いの品物は相手の負担にならない消え物やお菓子が定番
- 相手に好きなものを選んでもらえるカタログギフトも人気の選択肢
- 品物には必ず感謝の気持ちを込めたお礼状を添える
- のしの水引は何度あっても良いお祝い事に使う紅白の蝶結びを選ぶ
- 表書きは「新築内祝」または「内祝」と記載する
- 名入れは新しい家の世帯主の名字を記載するのが一般的
- 最も大切なのは金額や品物よりも感謝の気持ちを伝えること