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新築祝いを完成前に渡すのはOK?マナーとタイミング完全解説

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新しい門出の象徴である新築は、本人たちにとって人生の一大イベントです。

そんな大切な友人や家族、同僚のために、心からのお祝いを届けたいと考えるのは自然なことでしょう。

しかし、新築祝いを渡すタイミングについて、特に「新築祝いを完成前に渡すのはどうなのだろう?」と迷う方は少なくありません。

相手は引っ越し前の忙しい時期かもしれないし、まだお家が完成していないのに、お祝いを渡すのはマナー違反ではないかと心配になりますよね。

また、タイミングだけでなく、お祝いの相場や、現金と品物のどちらが良いのか、そして、のしの書き方や添えるメッセージの内容など、考えるべきことはたくさんあります。

せっかくのお祝いが、相手にとって迷惑になってしまったり、良かれと思った行動がマナー違反だったりしたら、とても残念なことです。

この記事では、そうした新築祝いに関するあらゆるお悩みを解決するために、新築祝いを完成前に渡す場合の基本的なマナーから、具体的な注意点までを詳しく解説していきます。

適切なタイミングの見極め方、相手との関係性に応じた相場、喜ばれる品物の選び方、そしてお返し(内祝い)に関する知識まで、これさえ読めば新築祝いのすべてがわかります。

あなたの温かいお祝いの気持ちが、最高の形で相手に伝わるよう、ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かる事、ポイント
  • 新築祝いを完成前に渡すのはマナー違反になるのか
  • お祝いを渡すのに最適なタイミングの見極め方
  • 贈る相手との関係性によって変わるお祝いの相場
  • 現金と品物、それぞれを贈る場合の注意点
  • 相手に本当に喜ばれる品物の選び方のコツ
  • 正しいのしの準備方法と心を伝えるメッセージの文例
  • お祝いが相手の負担にならないための細やかな配慮

新築祝いを完成前に渡すのは失礼?基本マナーと常識

この章のポイント
  • 完成前に贈る場合の適切なタイミングとは
  • 相手別の新築祝いの相場について
  • 現金で贈る際に気を付けたいポイント
  • 複数あっても困らない品物の選び方
  • 相手に迷惑だと思われないための配慮
  • 引っ越し前に贈る場合の注意点

完成前に贈る場合の適切なタイミングとは

新築祝いを贈るタイミングは、相手への配慮が最も現れる部分であり、多くの方が悩むポイントでしょう。

一般的に、新築祝いを渡す最適な時期は、新居が完成し、引っ越しが落ち着いた頃、具体的には入居後2週間から1ヶ月以内がベストとされています。

この時期であれば、相手も新生活に少しずつ慣れ始め、来客を迎える余裕も出てくるからです。

しかし、様々な事情から、新築祝いを完成前に渡すケースも考えられます。

例えば、遠方に住んでいてなかなか会えない、相手から新居で使うものをリクエストされた、などの状況です。

結論から言うと、新築祝いを完成前に渡すこと自体が、直ちにマナー違反となるわけではありません。

大切なのは、相手の状況を最大限に考慮し、負担にならないように配慮することです。

もし完成前に渡すのであれば、建物の引き渡しが完了し、引っ越し日が決まった後が良いでしょう。

あまりに早い段階、例えば建築の初期段階などでお祝いを渡してしまうと、相手も保管場所に困る可能性がありますし、万が一の建築トラブルなどを考えると、少し現実的ではありません。

一方で、引っ越しの直前や当日は避けるべきです。

引っ越し前後は、荷造りや手続きなどで非常に慌ただしく、精神的にも物理的にも余裕がない状態です。

そんな時に大きな贈り物を持って訪問すると、かえって相手に気を使わせてしまい、迷惑になってしまう恐れがあります。

新築祝いを完成前に渡すことを検討する際は、まず相手に「引っ越し前で忙しいと思うけれど、お祝いはいつ頃が都合良いかな?」と直接確認するのが最も確実で丁寧な方法です。

この一言があるだけで、相手は自分の都合を伝えやすくなり、お互いにとって気持ちの良いお祝いのやり取りができます。

もし相手から「落ち着いてからで大丈夫だよ」と言われた場合は、その言葉に甘えて、入居後に改めてお祝いの機会を設けるのが良いでしょう。

逆に「新居で使う〇〇が欲しいから、早めに貰えると嬉しい」といった具体的なリクエストがあれば、その希望に合わせて準備を進めるのがベストです。

タイミングに迷った場合は、遅すぎるよりは少し早めの方が良いという考え方もありますが、それはあくまで相手の都合を確認した上での話です。

自己判断で早めに渡すのではなく、コミュニケーションを大切にすることが、マナーの本質と言えるでしょう。

タイミングに関する注意点まとめ

新築祝いを渡すタイミングについて、情報を整理してみましょう。

以下の表を参考に、最適な時期を検討してみてください。

  1. ベストな時期:新居への入居後2週間~1ヶ月以内
  2. 完成前に渡す場合:建物の引き渡し後、引っ越し日が確定してから。必ず相手に都合を確認する。
  3. 避けるべき時期:引っ越しの直前・当日・直後。建築の初期段階。
  4. 遅れてしまった場合:入居後半年以上経過してしまった場合でも、お祝いの気持ちを伝えることは大切。その際は「遅くなってごめんね」と一言添えましょう。

このように、一口に「タイミング」と言っても、相手の状況によって様々に変化します。

最も重要なのは、形式的なルールに縛られることではなく、新しい生活を始める相手を思いやる気持ちです。

相手別の新築祝いの相場について

新築祝いを贈る際、次に気になるのが「いくら包めば良いのか」という相場の問題ではないでしょうか。

お祝いの金額は、相手との関係性によって大きく変わってきます。

金額が少なすぎると失礼にあたるかもしれませんし、逆に高すぎても相手にお返しの負担をかけてしまう可能性があります。

適切な相場を理解し、お互いに気持ちの良いお祝いにすることが大切です。

ここでは、贈る相手別に具体的な相場を見ていきましょう。

親や兄弟・姉妹、親戚へ贈る場合

最も身近な存在である家族や親戚への新築祝いは、他の関係性と比較して高額になる傾向があります。

一般的に、兄弟・姉妹へは30,000円から50,000円程度が相場とされています。

特に親しい間柄であれば、必要な家電や家具をプレゼントすることもあるでしょう。

自分の親へ贈る場合は、50,000円から100,000円、あるいはそれ以上というケースも珍しくありません。

ただし、これはあくまで目安であり、家庭の事情やこれまでの関係性によって柔軟に考えるべきです。

その他の親戚、例えばいとこや甥・姪などに対しては、10,000円から30,000円程度が一般的な相場となります。

日頃の付き合いの深さを考慮して金額を決めると良いでしょう。

友人・知人へ贈る場合

友人や知人への新築祝いは、5,000円から10,000円が最も一般的な価格帯です。

特に親しい友人であれば、10,000円以上の品物や現金を贈ることもあります。

何人かの友人と連名で贈る場合は、一人あたり3,000円から5,000円ずつ出し合って、合計で10,000円から30,000円程度の少し豪華な品物を選ぶという方法も人気です。

この方法なら、一人当たりの負担は少なく、かつ相手に喜んでもらえる質の良いプレゼントを贈ることができます。

職場の上司・同僚・部下へ贈る場合

職場の関係者へ贈る場合は、立場によって相場が異なります。

上司へ贈る場合は、5,000円から10,000円程度が目安です。

あまり高額なお祝いは、かえって上司に気を使わせてしまう可能性があるため注意が必要です。

同僚や部下へ贈る場合は、3,000円から10,000円程度が相場となります。

職場の場合、部署やチームのメンバーでお金を出し合って連名で贈るのが最も一般的で、角が立たない方法と言えるでしょう。

その際の一人当たりの負担額は1,000円から3,000円程度で、役職に応じて少し傾斜をつけることもあります。

相手別相場一覧表

関係性ごとの相場を一覧表にまとめましたので、参考にしてください。

贈る相手 相場金額
50,000円 ~ 100,000円
兄弟・姉妹 30,000円 ~ 50,000円
その他の親戚 10,000円 ~ 30,000円
友人・知人 5,000円 ~ 10,000円
上司 5,000円 ~ 10,000円
同僚・部下 3,000円 ~ 10,000円

最終的には、これらの相場はあくまで一般的な目安として捉え、ご自身の経済状況や相手との関係性を踏まえて、無理のない範囲でお祝いの気持ちを表すことが最も大切です。

現金で贈る際に気を付けたいポイント

新築祝いとして現金を贈ることは、相手が本当に必要なものを自由に選べるという点で、非常に実用的で喜ばれる選択肢の一つです。

特に、新生活には何かと物入りなため、現金はありがたいと感じる人が多いでしょう。

しかし、現金を贈る際には、品物を贈る時とは異なるいくつかのマナーや注意点が存在します。

相手に失礼な印象を与えず、気持ちよく受け取ってもらうためのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

新札を用意するのが基本マナー

まず最も基本的なマナーとして、お祝い事で現金を贈る際は、必ず「新札」を用意することが挙げられます。

新札を用意するのは、「この日のために、前もって準備していました」という相手への敬意や心遣いを示す意味合いがあります。

銀行の窓口や両替機で簡単に手に入れることができますので、事前に準備しておくようにしましょう。

もしどうしても新札が用意できなかった場合は、できるだけ綺麗で折り目の少ないお札を選ぶ配慮が必要です。

ご祝儀袋の選び方

現金をそのまま手渡しするのはマナー違反です。

必ず適切なご祝儀袋に入れましょう。

新築祝いの場合、水引は「何度あっても嬉しいお祝い事」を意味する「紅白の蝶結び」のものを選びます。

結婚祝いなどで使われる「結び切り」は、一度きりのお祝い事を意味するため、間違えないように注意してください。

ご祝儀袋のデザインは様々ですが、包む金額とのバランスを考えることも大切です。

例えば、10,000円を包むのに、あまりに豪華で立派なご祝儀袋では中身と見合わず、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。

一般的に、ご祝儀袋の価格は、包む金額の100分の1程度が目安とされています。

お札の入れ方と向き

ご祝儀袋にお札を入れる際にも、作法があります。

まず、お札は全て同じ向きに揃えましょう。

そして、ご祝儀袋の中袋(内袋)の表面(金額や住所氏名を書く側)に対して、お札の肖像画が印刷されている側が表になるように入れます。

さらに、肖像画が上に来るように入れるのが正しい作法です。

これは、お祝いの喜びで「顔を上げる」という意味合いがあると言われています。

複数枚のお札を入れる場合も、すべてこの向きで揃えてください。

金額のタブーに注意

お祝い事で贈る金額には、縁起が悪いとされる「忌み数」があります。

特に「4(死)」や「9(苦)」を連想させる数字は避けるのが一般的です。

4,000円や9,000円、また40,000円といった金額は包まないようにしましょう。

30,000円や50,000円といったキリの良い数字にするのが無難です。

もし相場の関係で20,000円を贈りたい場合は、10,000円札1枚と5,000円札2枚にするなど、お札の枚数を奇数にする工夫をすると、より丁寧な印象になります。

現金は非常に直接的な贈り物だからこそ、こうした細やかなマナーを守ることで、相手への配慮と祝福の気持ちがより深く伝わるでしょう。

複数あっても困らない品物の選び方

新築祝いに品物を贈りたいけれど、相手の好みが分からなかったり、すでに持っているものと重複してしまったりしないか心配になることはありませんか。

そんな時に役立つのが、「いくつあっても困らないもの」「あえて自分では買わないけれど、貰うと嬉しいもの」という視点で品物を選ぶことです。

ここでは、新築祝いとして贈っても相手に負担をかけにくく、喜ばれやすい品物の選び方のコツをご紹介します。

定番の「消えもの」を選ぶ

「消えもの」とは、使ったり食べたりするとなくなるもののことを指します。

これらは保管場所に困らず、万が一好みに合わなくても消費しやすいため、贈りやすいアイテムの代表格です。

  • 少し高級な調味料セット:普段使いのものよりワンランク上のオリーブオイルや醤油、ドレッシングなどは、料理の質を上げてくれる嬉しい贈り物です。
  • お菓子の詰め合わせ:有名パティスリーの焼き菓子や、老舗の和菓子などは、家族みんなで楽しめます。日持ちのするものを選ぶと、相手のペースで消費できるので親切です。
  • コーヒーや紅茶のギフト:こだわりのコーヒー豆や、様々なフレーバーが楽しめる紅茶のセットは、来客時にも活躍します。
  • 高級な洗剤やソープ類:デザイン性の高いボトルに入った食器用洗剤やハンドソープは、キッチンや洗面所をおしゃれに彩ってくれます。オーガニック素材のものなど、質の良いものを選ぶのがポイントです。

上質な日用品を贈る

タオルや食器用スポンジといった日用品は、必ず使うものであり消耗品でもあるため、いくつあっても困りません。

ポイントは、普段自分ではなかなか買わないような、少し上質で質の良いものを選ぶことです。

例えば、吸水性が高く肌触りの良い高級ブランドのタオルセットは、新生活の満足度を格段に上げてくれるでしょう。

白やベージュ、グレーといったベーシックなカラーを選べば、どんなインテリアにも馴染みやすく、失敗がありません。

相手に選択を委ねる「カタログギフト」

どうしても品物選びに迷ってしまう、相手の好みが全く分からないという場合に最強の選択肢となるのが「カタログギフト」です。

カタログギフトであれば、相手自身が好きなもの、必要なものを自由に選べるため、贈り物が無駄になってしまう心配がありません。

最近では、グルメに特化したもの、インテリア雑貨が充実しているもの、体験型ギフトが選べるものなど、様々な種類のカタログギフトがあります。

相手のライフスタイルや趣味を想像しながらカタログの種類を選ぶのも、一つの楽しみ方と言えるでしょう。

観葉植物や花を贈る際の注意点

緑のある生活は心を豊かにしてくれるため、観葉植物やおしゃれな花瓶とセットにしたブーケも人気の贈り物です。

ただし、植物を贈る際は、相手が植物の世話を苦にしないか、アレルギーがないかなどを事前に確認する配慮が必要です。

もし贈るのであれば、比較的手入れが簡単な種類の植物を選ぶと良いでしょう。

また、大きすぎる植物は置き場所に困る可能性があるため、テーブルや棚に置ける小ぶりなサイズがおすすめです。

これらのポイントを参考に、相手の新しい生活に彩りを添えるような、素敵な品物を選んでみてください。

相手に迷惑だと思われないための配慮

心からのお祝いの気持ちを込めて贈った新築祝いが、意図せずして相手の迷惑になってしまったら、これほど悲しいことはありません。

特に、新築祝いを完成前に渡すような場合は、相手がまだ新居の収納状況やインテリアのイメージを完全に掴みきれていない可能性もあります。

だからこそ、贈る側には一層の細やかな配慮が求められます。

ここでは、相手に「嬉しい!」と心から喜んでもらうために、事前に考えておきたい配慮のポイントをいくつかご紹介します。

品物のサイズと保管場所を考慮する

新居はスペースが無限にあるわけではありません。

良かれと思って大きな家具や家電、アート作品などを贈っても、相手の想定しているインテリアのテイストに合わなかったり、置く場所がなかったりする場合があります。

特に、壁に穴を開ける必要がある時計や絵画などは、新築の壁に傷をつけたくないと考える人も多いため、避けた方が無難です。

もし大型のものを贈りたいのであれば、必ず事前に相手に相談し、本当に必要としているか、置く場所はあるかを確認することが不可欠です。

基本的には、相手が自分で置き場所を自由に選べるような、比較的小ぶりなものや、消耗品を選ぶのが賢明な判断と言えます。

相手の好みを最優先に考える

贈り物は、自分の趣味やセンスを押し付けるものではありません。

自分が良いと思ったものでも、相手の好みと異なれば、それは相手にとって「不要なもの」になってしまいます。

モダンでシンプルなインテリアが好きな人に、カントリー調の小物を贈っても、きっと困らせてしまうでしょう。

相手のSNSをチェックしたり、共通の友人に好みを聞いてみたりと、できる限りリサーチをすることが大切です。

もし好みが分からない場合は、前述したような消えものや上質な日用品、カタログギフトといった、好みが分かれにくいものを選ぶのが失敗しないコツです。

サプライズよりも事前の相談を

サプライズの贈り物は感動的ですが、新築祝いに関してはリスクも伴います。

欲しいものを聞くのは野暮だと考えず、思い切って「何か新居で必要なものある?」「欲しいもののリクエストがあれば教えて!」と聞いてしまうのが、最も確実で親切な方法です。

直接的に聞くのがためらわれる場合は、「家電とインテリア雑貨ならどっちが嬉しい?」のように、選択肢を提示して聞くのも良いでしょう。

相手の希望通りのものを贈ることができれば、間違いなく喜んでもらえますし、贈り物も有効に活用してもらえます。

アレルギーや家族構成への配慮

食べ物を贈る場合は、相手やその家族に食物アレルギーがないかを確認することが重要です。

また、小さなお子さんやペットがいる家庭であれば、割れやすいものや誤飲の危険がある小さな部品があるものは避けるといった配慮も必要になります。

お祝いの気持ちは、品物そのものの価値だけで決まるわけではありません。

相手の状況をどれだけ想像し、思いやることができるか、その心遣いこそが、最高の贈り物になるのです。

引っ越し前に贈る場合の注意点

新築祝いを完成前に渡す、つまり相手の引っ越し前に贈るという選択をする際には、特有の注意点がいくつか存在します。

この時期の相手は、荷造りや各種手続き、現在の住まいの片付けなど、人生で最も忙しいと言っても過言ではないほどのタスクに追われています。

あなたの親切心が、かえって相手の負担を増やしてしまわないよう、細心の注意を払いましょう。

荷物になるような贈り物は避ける

引っ越し前の相手にとって、物理的に「荷物が増える」ことは大きな負担となります。

特に、かさばるものや重いものは、新居へ運ぶ手間を増やしてしまうため、このタイミングで贈るのは避けるべきです。

例えば、大きな観葉植物、調理家電、インテリア雑貨などは、入居して生活が落ち着いてから贈る方が親切です。

もし引っ越し前に渡すのであれば、現金や商品券、あるいは持ち運びの負担にならないような小さなギフトカード、オンラインで完結するe-ギフトなどが最もスマートな選択と言えるでしょう。

これらは荷物にならないだけでなく、相手が必要なタイミングで好きなものに換えられるというメリットもあります。

訪問する際は手短に済ませる

もし直接会って渡す場合でも、長居は禁物です。

引っ越し前の家は、段ボールが山積みになっていたり、片付けの途中で散らかっていたりすることがほとんどです。

相手は「散らかっていて申し訳ない」と気にしてしまうかもしれません。

玄関先で「おめでとう!忙しいと思うから、これで失礼するね」と伝え、お祝いの品を渡してすぐに立ち去るくらいの心遣いが、相手にとっては非常にありがたいものです。

お祝いの言葉と共に、相手の多忙な状況を気遣う一言を添えることを忘れないようにしましょう。

目録を活用する

もし贈りたい品物が大きいものである場合、「目録」という形で渡す方法も非常に有効です。

目録とは、贈る品物の名前を書いたリストのことで、これなら現物は後日、相手の都合の良いタイミングで配送することができます。

例えば、「最新型コーヒーメーカーを贈呈します。引っ越しが落ち着いたら連絡をください」といった形で目録を作成し、ご祝儀袋に入れて渡します。

これにより、贈り手は自分の贈りたい気持ちを伝えつつ、受け手は引っ越しの負担なく、後日ゆっくりとプレゼントを受け取ることが可能になります。

最近では、ギフト専門のオンラインストアなどで、おしゃれな目録ギフトセットも販売されています。

相手の都合を最優先に

繰り返しになりますが、最も大切なのは相手の都合を最優先に考えることです。

「引っ越し前に渡したい」というのは、あくまでこちらの都合かもしれません。

まずは「お祝いを渡したいのだけど、引っ越し前と後、どちらが良いかな?」と相手の希望を尋ねましょう。

相手が「落ち着いてからが良い」と答えたなら、その意向を尊重するのが一番の思いやりです。

引っ越しという一大イベントを控えた相手への祝福は、その忙しさを理解し、負担をかけない形で伝えることが、何よりも重要です。

新築祝いを完成前に渡すときに知っておきたい作法

この章のポイント
  • 基本的なお祝いのマナーとのしの書き方
  • 添えると気持ちが伝わるメッセージの文例
  • お返し(内祝い)は基本的に不要?
  • まとめ:新築祝いを完成前に渡す際は配慮が大切

基本的なお祝いのマナーとのしの書き方

新築祝いというフォーマルな贈り物には、それにふさわしい作法が伴います。

特に「のし(熨斗)」の準備は、相手への敬意を示す上で欠かせない要素です。

新築祝いを完成前に渡す場合でも、この基本的なマナーは変わりません。

正しいのしの選び方と書き方をマスターして、礼儀正しくお祝いの気持ちを伝えましょう。

のし紙の種類:水引は「紅白の蝶結び」

のし紙の中央にかかっている飾り紐を「水引(みずひき)」と呼びます。

水引には様々な種類があり、お祝い事の内容によって使い分ける必要があります。

新築祝いは、出産や昇進などと同様に「何度繰り返しても喜ばしいお祝い事」です。

そのため、簡単に解けて何度も結び直せることから、水引は「紅白の蝶結び」または「花結び」と呼ばれる形のものを選びます。

一方で、結婚祝いや快気祝いなど、「一度きりであってほしいこと」に使われるのは「結び切り」や「あわじ結び」です。

これらは固く結ばれて解けない形をしており、新築祝いには適さないため、間違って選ばないように十分注意しましょう。

表書きの書き方

水引の上段中央には、「表書き(おもてがき)」と呼ばれる贈り物の名目を書きます。

新築祝いの場合に用いられる一般的な表書きは以下の通りです。

  1. 御新築御祝(ごしんちくおんいわい):最も丁寧で一般的な表書きです。一戸建てを新築した場合に使います。
  2. 祝御新築(しゅくごしんちく):こちらも同様に、新築の際に使われる丁寧な表現です。
  3. 御祝(おいわい):新築か中古か、マンションか一戸建てか分からない場合など、どのような状況でも使える便利な表書きです。
  4. 御引越御祝(おひっこしおんいわい):新築ではなく、中古の戸建てやマンションを購入した場合、あるいは賃貸住宅へ引っ越した場合に使います。

これらの文字は、毛筆や筆ペンを使い、楷書で丁寧に書くのがマナーです。

ボールペンや万年筆で書くのは避けましょう。

名前の書き方

水引の下段中央には、贈り主の名前をフルネームで書きます。

表書きの文字よりも少し小さめに書くと、全体のバランスが美しく見えます。

連名で贈る場合は、名前の書き方にいくつかのルールがあります。

  • 夫婦連名の場合:中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前のみを書きます。
  • 3名までの連名の場合:役職や年齢が上の人を一番右に書き、そこから左へ順に名前を並べていきます。友人同士など、立場に序列がない場合は五十音順で書くのが一般的です。
  • 4名以上の場合:全員の名前を書くと見栄えが悪くなるため、代表者の名前を中央に書き、その左下に「他一同」と書き添えます。そして、全員の名前を書いた紙(奉書紙や和紙など)を別途用意し、中袋に同封します。職場の部署などで贈る場合は、代表者名の代わりに「〇〇部一同」とすることもあります。

こうした細やかなルールを守ることが、贈り先の相手に「礼儀をわきまえた、しっかりした人だ」という良い印象を与え、お祝いの気持ちをより格調高く伝えてくれます。

添えると気持ちが伝わるメッセージの文例

新築祝いの贈り物に、心のこもったメッセージカードを添えるだけで、お祝いの気持ちは何倍にも深く相手に伝わります。

品物や現金だけを渡すよりも、温かい言葉が加わることで、あなたの祝福の気持ちがよりパーソナルなものになるでしょう。

しかし、いざ書こうとすると「どんなことを書けばいいのだろう?」とペンが止まってしまう方も多いかもしれません。

ここでは、相手との関係性に応じたメッセージの文例と、書く際に気をつけたいポイントをご紹介します。

メッセージを書く際の基本構成

メッセージは、以下の3つの要素で構成すると、まとまりやすく、気持ちが伝わりやすくなります。

  1. お祝いの言葉:「ご新築おめでとうございます」など、まずはストレートにお祝いの気持ちを伝えます。
  2. 具体的な感想や思い出:「素敵なデザインのお家ですね」「今度ぜひ遊びに行かせてください」など、具体的な言葉を加えることで、メッセージに温かみが生まれます。共通の思い出に触れるのも良いでしょう。
  3. 相手の未来を願う言葉:「新しいお家での生活が、笑顔あふれる素敵なものになりますように」「ご家族皆様の新たな門出を心よりお祝い申し上げます」など、相手の幸せを願う言葉で締めくくります。

相手別のメッセージ文例

友人や親しい同僚へ

「〇〇、新築おめでとう!
ついに夢のマイホームだね!写真で見たけど、日当たりが良くてすごく素敵なリビングだね。
落ち着いたら、ぜひ新しいお家に遊びに行かせてね。
新しいお家での毎日が、笑顔と幸せでいっぱいになりますように!」

目上の方(上司や先輩)へ

「〇〇さん
この度は、ご新築誠におめでとうございます。
素晴らしいご新居で、ご家族皆様との新しい生活を始められること、心よりお祝い申し上げます。
お仕事でお忙しい中とは存じますが、くれぐれもご無理なさらないでください。
皆様の新たな門出が、幸多きものとなりますようお祈りしております。」

親戚へ

「〇〇さん、〇〇ちゃん
新しいお家の完成、本当におめでとうございます。
木のぬくもりが感じられる、とても素敵なお家ですね。
新しい環境で大変なこともあるかもしれませんが、何かあったらいつでも頼ってください。
ご家族皆様が、この新しいお家でたくさんの幸せな時間を過ごされることを願っています。」

メッセージで避けるべき「忌み言葉」

お祝いのメッセージでは、縁起が悪いとされる「忌み言葉(いみことば)」の使用を避けるのがマナーです。

特に新築祝いでは、「火事」や「倒壊」を連想させる言葉はタブーとされています。

例えば、「燃える」「焼ける」「火」「煙」「倒れる」「崩れる」「流れる」「失う」「赤い」といった言葉です。

赤い花や赤いラッピングペーパーも、火事を連想させるため避けた方が良いとされています。

うっかり使ってしまわないよう、メッセージを書き終えたら一度見直す習慣をつけると安心です。

短い文章でも、手書きのメッセージが添えられているだけで、贈り物は特別なものに変わります。

ぜひあなたの言葉で、お祝いの気持ちを伝えてみてください。

お返し(内祝い)は基本的に不要?

新築祝いを贈った側として、少し気になるのが「お返し(内祝い)はもらえるのだろうか?」という点かもしれません。

また、これから新築祝いを贈る立場としては、相手にお返しの気遣いをさせてしまうのは申し訳ないと感じることもあるでしょう。

ここで、新築祝いのお返しに関する基本的な考え方を理解しておきましょう。

基本のお返しは「新居へのお披露目会」

結論から言うと、新築祝いに対するお返しは、品物ではなく「新居へ招待し、おもてなしをすること(お披露目会)」が一般的です。

新居が完成し、生活が落ち着いた頃に、お祝いをくれた方々を招待して、食事や飲み物を振る舞い、家の中を案内することが、何よりものお返しとされています。

このお披露目会に招待された場合は、それが内祝いとなりますので、基本的にそれ以上の品物が贈られてくることはありません。

したがって、お祝いを贈る側も、品物でのお返しを期待するのは適切ではありません。

お披露目会に招待されたら、ぜひ参加して、新しい家の感想を伝え、一緒にお祝いの時間を楽しむことが大切です。

その際、手土産としてお菓子や飲み物などを持参すると、より丁寧な印象になるでしょう。

お披露目会ができない場合の内祝い

遠方に住んでいる、相手の都合がつかない、あるいは感染症対策などの理由で、お披露目会を開催しない(できない)ケースもあります。

また、高額なお祝いをいただいた場合や、お披露目会に招待できなかった方に対しては、別途「内祝い」として品物を贈るのがマナーです。

もし相手が内祝いを贈ってくれる場合、そのタイミングは入居後1〜2ヶ月以内が目安です。

内祝いの品物の金額相場は、いただいたお祝いの3分の1から半額(半返し)程度が一般的です。

品物としては、お菓子やタオル、洗剤といった、あとに残らない「消えもの」や日用品がよく選ばれます。

贈り手としての心構え

新築祝いを贈る側としては、「お返しは気にしないでね」という気持ちでいることが大切です。

特に、相手に気を遣わせないように、相場から大きく外れない金額のお祝いを心がけることも、一つの配慮と言えるでしょう。

もし現金で贈る際に、「お返しは不要です」と伝えたい場合は、中袋に金額だけを書き、住所や氏名を書かないという方法もありますが、これは少し素っ気ない印象を与える可能性もあります。

それよりも、メッセージカードに「ささやかですが、お祝いの気持ちです。お返しなどのお気遣いはなさらないでくださいね」と一言添える方が、気持ちが伝わりやすく、スマートな方法です。

お祝いは、あくまで相手の新しい門出を祝福する気持ちの表れです。

見返りを期待するものではないということを心に留めておくと、お互いにとって気持ちの良い関係を続けていくことができるでしょう。

まとめ:新築祝いを完成前に渡す際は配慮が大切

ここまで、新築祝いを完成前に渡す際のタイミングやマナー、そして贈り物の選び方など、様々な側面から詳しく解説してきました。

新しいお家を建てるということは、多くの人にとって一生に一度の大きな出来事です。

その素晴らしい門出を祝福したいというあなたの温かい気持ちは、きっと相手にとって大きな喜びとなるでしょう。

新築祝いを完成前に渡すこと自体は、決してマナー違反ではありません。

しかし、そのタイミングが相手にとって最も忙しく、デリケートな時期であることは間違いありません。

だからこそ、この記事で繰り返しお伝えしてきたように、形式的なルール以上に「相手の状況を思いやる心」が何よりも重要になります。

贈り物を選ぶ際には、相手の好みやライフスタイルを想像してみてください。

もし迷うなら、相手に直接希望を聞く勇気も時には必要です。

それは決して失礼なことではなく、むしろ相手を尊重する誠実な姿勢の表れと言えます。

現金や品物を贈る際の作法、のしの書き方、メッセージの言葉選びといった一つひとつのマナーは、あなたの祝福の気持ちをより丁寧に、そしてより深く伝えるための大切なツールです。

これらの知識を身につけることで、あなたは自信を持って、心からのお祝いを届けることができるはずです。

最終的に、新築祝いは「おめでとう」という祝福の気持ちを形にして贈るものです。

相手の新しい生活が、幸せと喜びに満ちたものになることを心から願い、そのためのささやかなお手伝いをするというスタンスで臨めば、きっと最高の形であなたの気持ちは伝わります。

この記事が、あなたの素晴らしいお祝いの機会の一助となれば幸いです。

この記事のまとめ
  • 新築祝いを完成前に渡すこと自体はマナー違反ではない
  • 渡すなら相手の都合を必ず確認し引っ越し前後の多忙な時期は避ける
  • 最適なタイミングは一般的に入居後2週間から1ヶ月以内
  • 相場は相手との関係性で決まり友人なら5千円から1万円が目安
  • 親や兄弟へは3万円から10万円と高額になる傾向がある
  • 現金で贈る場合は必ず新札を用意しご祝儀袋に入れる
  • ご祝儀袋の水引は紅白の蝶結びを選ぶ
  • 品物選びに迷ったら複数あっても困らない消えものや上質な日用品がおすすめ
  • 相手の好みやインテリアに合わない大きな贈り物は避けるのが無難
  • 相手に選択を委ねられるカタログギフトは失敗のない選択肢
  • 引っ越し前に渡すなら荷物にならない現金や商品券が喜ばれる
  • お祝いメッセージには火事や倒壊を連想させる忌み言葉を使わない
  • メッセージを添えることでお祝いの気持ちがより深く伝わる
  • 新築祝いのお返しは新居へのお披露目会が基本
  • 最も大切なのは形式よりも相手の状況を思いやる心遣い
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